エレカシの魅力を語る

2019年11月27日水曜日

音楽

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私が国内で最も好きなバンドはエレファントカシマシ(通称:エレカシ)である。曲は知らなくてもバンド名くらいは聞いたことのある方も多いのではないだろうか。エレカシを聴くようになったきっかけはバンド結成30周年によるマスコミへの露出である。正直なところ、初めて彼らの曲を聴いたときはピンとこなかった。シンプルで無骨なロックだな、といった感想であった。しかし、宮本のドアップのPVが印象的な「今宵の月のように」が忘れられず、何度か再生を繰り返していくうちに宮本の真っ直ぐな声、聴く者を鼓舞してくれる前向きな歌詞に徐々に魅了されていった。

とりあえず有名曲を知ろうとして最初に借りたアルバムが「All Time Best Album THE FIGHTING MAN」だ。30周年を記念して本人たちが選曲した正真正銘のベストアルバム。流れてくる曲1つ1つがもつエネルギーがとにかく凄い。特に初めて聴いた「桜の花、舞い上がる道を」は鳥肌ものだった。なぜこんな凄いバンドを今まで知らなかったんだと後悔したものだ。

初めての紅白出場が決まったときには、私は彼らのアルバムを1から漁るほど夢中になっていた。メジャーデビュー後のエレカシは大きく分けて4つの時代に分けることができる。攻撃的ながら爽快なロックンロールを楽しめるエピック期、切なくてメロディアスな曲が多いポニーキャニオン期、打ち込みを多用したりセルフプロデュースをしたりとバンドとしての価値を模索していた東芝EMI時代、よりキャッチーで壮大な楽曲が生み出されるユニバーサルミュージック期。それぞれの時代を辿りながら聴くと、楽曲やスタイルの変化は多少あるが、自分たちの音楽を本気で届けるという思いはずっと一貫していることに気づかされる。そして、紅白当日。私は今か今かとエレカシの登場を待ち続けた。「くだらねえ~と」と宮本が歌い出すと、私は無意識に正座しながら「今宵の月のように」のパフォーマンスに釘付けになっていたことを覚えている。自信と喜びに満ちた宮本の表情がとにかく良かった。良かった...。

ファンになってから約1年が経過した今、エレカシの魅力を改めて言わしてもらおう。それは、曲に対する思いとそれを届ける熱量が並のバンドと比べものにならないのだ。一言で表すと「一曲入魂」。エレカシをあまり知らない皆様には是非一度ライブ動画を見てみてほしい。目を見開き、時にはギターを弾くことを放棄し全身を使って熱唱する宮本のパフォーマンスに驚かされるだろう。時には感極まって歌いながら男泣きをすることもある。彼にとってこれは普通である。それだけ自分の曲を大事にしており、誇りに思っているのだろう。特徴的な激しいパフォーマンスとともに注目したいのが、彼の圧倒的な歌唱力である。激しい曲では威嚇するような歪んだ声で叫び、バラードは澄んだ声で丁寧に歌いあげる。この声だからこそ曲がより説得力をもって訴えかけてくるのである。こういった器用さはなかなか並の歌手に真似できるものではない。発声の基礎をNHKの児童合唱団時代に培っているからこそできる技であろう。

このようにどうしてもボーカル宮本に注目が集まってしまうのだが、残りのメンバー、ギター石森・ベース高緑・ドラム冨永も必要不可欠なピースである。宮本は良くも悪くもクセが強い。スタジオでの練習動画を見たことがあるが、宮本が3人に容赦なく文句を言う場面が散見された。それでも彼らは全く反抗することなく黙って言うことを聞くのだ。この言葉を交わさずとも成立する信頼関係は相当なものである。彼のわがまま、不器用さにつきあるのは中学時代からの付き合いであるこの3人しかいないだろう。あくまで裏方に徹し宮本を支え続けているメンバーにも拍手を送りたい。

私がエレカシを生で見た経験は過去2回ある。今年の新春ライブとロッキン である。ロッキン ではかなりステージの近くから演奏を見ることができたが、実に圧巻であった。一曲目の「ズレてる方がいい」で完全に心を掴まれ、ラストの「ファイティングマン」まであっという間の30分間であった。周囲の人と密着し、かつ、太陽が容赦なく照りつける環境は地獄でしかなかったが、エレカシを間近で見れるのならそんなことはどうでもよかった。今後もライブに参加したいのだが、エレカシのチケットは入手困難である。以前から人気があったバンドだが、30周年でさらに知名度が上がったせいで倍率が高くなっていると思われる。来年の新春ライブは残念ながら落選してしまった。確実にエレカシを生で拝むには、フェスに参戦するのがいいだろう。しかし、エレカシは単独公演に限る。当たり前だが、セトリのボリュームが全然違う。単独ライブなら30曲超、3時間 に及ぶ演奏を見ることができる。マイナーな曲も演奏してくれるので、ライブがきっかけに新しく好きになる曲もある。こういった出会いがライブの醍醐味だ。特にチケットの入手が困難な野音ライブにはいつか参戦したい。ライブに参戦すると気づくのが、若者からおじさんおばさんまで実に幅広い層がエレカシを聴いている。これは私の個人的な意見だが、幅広い年代に支持されるバンドは偉大だと思う。このことはミスチルやスピッツも共通している。今後も無理のない範囲で活動を続けながら40周年、50周年を迎えて欲しい。

以上、かなり熱い文章になってしまったが、自分のエレカシに対する思いを語ってみた。これをきっかけにエレカシに少しでも興味を持っていただけたら嬉しく思う。

それでは、ごきげんよう。



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社会人6年目のシステムエンジニア。 レールのど真ん中を歩く人生。

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