伊勢・鳥羽1泊2日旅行記(前編)

2019年12月17日火曜日

旅行

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先月末、大学時代の友人3人(全員男)と三重県の伊勢と鳥羽に旅行に行ってきたので、写真を交えながら2回に分けて旅を振り返ろうと思う。今回はその前編となる。

【1日目】

今回我々は名古屋で集合し、そこからレンタカーで伊勢志摩を目指すことにした。
私は東京から名古屋まで新幹線で移動した。所要時間は約1時間40分。しかし、朝の10時集合だったので起床したのは6時過ぎ。仕事のある平日と同じ時間に起きるのはなかなか辛かった。新幹線のチケットは直前に予約したので、良い席はほとんど埋まっており、3列シートの通路側くらいしか空いていなかった。しかも、いざ乗ってみると、隣はなんと熱々のカップルだった。私は圧倒的敗北感に苛まれながらも、心を無にして朝ご飯の駅弁を胃袋に流し込み、音楽を聴きながら名古屋まで辛抱した。友人の中には、夜行バスで時間をかけながら移動する者や、前日の夜に飛行機で現地入りして前泊する者もいた。そういえば、今回旅行先に伊勢志摩を選んだきっかけとなったのが、三重出身の友人である。彼は四日市出身なのだが、四日市の外の世界をあまり知らないらしく、鳥羽までは足を伸ばしたことがないことを知った。そういうわけで「三重出身の友人とともに三重を満喫する」をコンセプトに今回の旅行が決定したのだった。

そもそも我々は当日まで旅程を一切計画していなかったので、まず昼飯をどこで食べるか議論することになる。とりあえず宿に向かうルートを確認すると、名古屋から鳥羽までの道中、松阪市を経由することに気づいた。食にこだわりをもつ我々は、松坂市で日本が誇る松阪牛を食べようという結論に至った。松阪牛の味が最高であることは間違いないが、問題なのはそのお値段である。そこで、リーズナブルな値段で松阪牛を使った洋食が食べられる「洋食屋牛銀」に決定した。到着したのは13時過ぎだったが、人気店のようで5組ほど待った。ちなみに隣には本格的な松阪牛料理を堪能できる「牛銀本店」があった。本館は古風な建物の造りをしており、オーラがすごい。店外のメニューをのぞいてみると、「松」「竹」「梅」などおなじみのコース名が並んでいた。しかし、ここには「松」のさらに上のランクのコースがあった。それは、「橘」(たちばな)。響きからして強キャラ感がある。ちなみにコースのお値段はなんと15000円くらい。我々は戦慄した。ランチで15000円など到底考えられない。常識が覆された瞬間だった。それと同時に15000円のランチを味わうという、極上の体験をしてみたい気持ちも生まれた。そして、いつの日かみんなで「橘」を注文しようと誓ったのだった。

30分ほど待っただろうか。店員から呼ばれ、我々は広いテーブル席がある2階席に案内された。メニューを広げると様々な洋食が目に飛び込んできた。オムライス、牛丼、牛カツ丼などが並ぶ。どれにするか非常に悩ましい。ちなみに、ここの牛丼は卵でとじてあるのが特徴だ。某牛丼チェーン「○屋」や「す○や」と決して一緒にしてはいけない。苦慮の末、牛カツ丼を注文。牛カツ自体ほとんど食べたことがないし、食べログで見つけた写真に虜にされたからである。4人のオーダーの内訳は牛カツ丼2、牛丼1つ、ハンバーグ定食1つとなった。待つこと約20分、待ちに待った牛カツ丼が運ばれてきた。見よ、この美しい牛カツを。


どんぶりの蓋を開けた瞬間、思わずため息が漏れてしまった。カツは柔らかくて甘みがある。また、ボリューミーで食べ応えがあった。上にはデミグラスソースがかかっており、甘ダレ風でカツとよく合う。一緒についてくる味噌汁がこれまた美味い。適度に飲むことでタレの味に飽きることを防いでくれる。食事あるあるだが、本当に美味しい料理を食べるときは言葉を発しなくなる。四日市のB級グルメに挑戦するという案もあったが、今回は松坂市に立ち寄って正解だったと思う。4人は確かな満足感を得て店を後にした。

さて、まだ宿に向かうにもまだ早いので1つくらい観光スポットに立ち寄れそうだ。宿泊地は鳥羽にあるので、次の目的地は宿に近い鳥羽水族館に決定した。しかし、既に時刻は14時過ぎなのであまりゆっくりしていられない。伊勢から鳥羽までは伊勢志摩スカイラインという有料道路を利用した。このドライブコースは山を越えていくので急勾配で曲がりくねった道を進む。山道に慣れていないドライバーは気を張るかもしれない。1270円とまあまあ高い通行料をとられたのが少し気になったが、山を下り始めた瞬間、1270円以上の価値があることに気付かされた。真っ青な太平洋と大小様々な離島が目に飛び込んできたのだ。何度も経験していることなのだが、海が見える瞬間というのは何ともいえない高揚感と感動に包まれる。another skyで出てきそうな美しい景色であった。

鳥羽水族館に到着したのは15時半。山道に苦戦したせいで予定より到着が遅れてしまった。閉館までとにかく時間がないので急がなくては。かくして男4人の鳥羽水族館90分タイムアタックが始まった。
ここで鳥羽水族館の簡単な説明をしておこう。開館は1955年で60年以上の歴史をもつ。魚だけではなく、鳥類や爬虫類、哺乳類も飼育しており、展示生物は約1200種と国内最多。まさに日本を代表する水族館である。また、Wikipediaで知ったのだが、ここの来館者の8割が大人なのだそう。確かに、都内の水族館と比べると子供が少なく落ち着いた印象があった。恥ずかしながら、私はこの旅行ではじめて鳥羽水族館の存在を知った。鳥羽水族館の一番の特徴は順路がないこと。AからHまで8つの主要なエリアに分かれており、自分の好きな順番で巡ることができるのだ。それでは、ここから水族館で出会った生き物たちを紹介していこう。


文字通りお魚天国。美味そうな魚がたくさん泳いでいる。


ナマズが同じ方向を向いて隊列を作っていた。EXILEの例の有名なダンスを思わせる。


鳥羽水族館は国内で唯一ジュゴンを飼育している。草を無心に食べており正面からは捉えられなかったが来館者の人気を集めていた。


お魚とカピバラの組み合わせは珍しいかも。マイペースな性格は水族館でも同じだった。


何とも悲壮感が漂うアザラシ。実はこのアザラシ、がっつり目を開けているので寝ているわけではない。何を考えていたのか非常に気になる。


熱帯エリアにこんなネコ科の動物もいた。名前は忘れてしまったが、可愛さとかっこよさを兼ね備えている印象。


親分感のあるセイウチ。「俺についてこい」と言わんばかりの風格。

以上、いろいろ紹介したが、鳥羽水族館がいかに多種多様な生物を飼育しているか確認いただけたと思う。あまりに見所が多すぎて、全てのエリアのうち半分の4エリアしか回ることができなかったのが悔やまれる。残りの半分のエリアと評判の高いショーなども含めてじっくり見ようとすると、半日ほどはかかるのではないかと思われる。

さて、松阪牛と水族館を満喫したところで、いよいよ宿に向かう。今回宿泊したのはこちら、相差(おうさつ)パシフィックホテル。


名前にパシフィックとあるように、太平洋に面し、オーシャンビューが楽しめる宿だ。和室、浴衣、温泉、本格的な和食料理が揃っており、ホテルというよりかは旅館に近い。
部屋に案内された途中、興味深い事実を知った。我々と同じ日に、なんとあの有名な食品メーカー、おやつカンパニーが団体で宿泊していたのだ。部屋に案内された途中、おやつカンパニー専用の宴会場を見つけてテンションが上がった。もしお邪魔していたらベビースターでも配ってくれただろうか。案内された部屋は5階で、窓から右手に海が見える位置だった。翌朝のオーシャンビューが楽しみである。

1時間ほど思い思いに部屋でくつろぎ、お待ちかねの夕食の時間となった。心をときめかせながら会場に入ると、素敵な料理が我々をお出迎えしてくれた。


これはテンションが上がる。鍋料理に火をつけてもらうときのワクワク感、分かる人がいたら嬉しい。


なんといってもインパクトがあるのが、この桶に入った刺身。どれも身が分厚く、脂がしっかり乗っていた。刺身好きの私は1つずつ時間をかけて味わった。


こちらは焼きガキ。ぷりぷりの身と旨みが凝縮された汁が焼きガキの良さである。あまりに食べやすいのでぺろっと平らげてしまった。

他にはしゃぶしゃぶや茶碗蒸しなど、体が温まる料理をいただいた。料理長、Good Job。私は大学時代国内旅行に何度か行く中で徐々に和食派に傾いていった。私が思う和食の良さは料理で季節を感じることができること、素材の良さが生かされていること、海鮮料理が充実していることである。全体的にちょうどよい量で、4人とも完食した。周りを見渡して思ったのが席

さあ満腹になったことだし、いざ温泉へという気分なのだが、屋上で天体観測できるという情報を知った。これは行くしかない。今日はよく晴れていたので綺麗に星が見えるという期待を抱いた。我々の期待は裏切られなかった。そこには東京で見ることのできない満点の星空が広がっていた。5等星、6等星くらいまで見えていたのではないだろうか。石垣島で見た夜空はそれは見事だったが、鳥羽の星空も引けをとっていない。
4人は無意識に星座探しをしていた。オリオン座はすぐ見つかった。個人的な考えだが、オリオン座は星座として完成されていると思う。特徴的な3つ星や赤く光るベテルギウス、きれいな6角形。星座にしたくなる気持ちも分かる。続いて冬の大三角を探してみた。オリオン座のベテルギウスとこいぬ座のプロキオンは見つかったが、シリウスがどうしても見つからない。星が見えすぎて見つけたい星が見つからないということはなかなかない。どうやらシリウスはまだ地平線の下に眠っていたようだ。
星空を見ていると、星座はどういうノリで決められたのだろうかかという疑問が浮かんだ。古代ギリシャでは「ここらへんこう結べば白鳥っぽくね?」「わかる」みたいな会話が繰り広げられていたのだろうか。いつも思うのだが、こいぬ座の雑さはなんなのだろう。星2つを結んで「子犬」と主張するのはあまりにも無理がある。1

結構天体観測に夢中になってしまったので体がかなり冷えた。温泉で芯から温めなければいけない。この宿では、男湯と女湯は朝夕夜、1日3回入れ替わる。夜の時間の男湯は内風呂だけである。体を念入りに洗い、風呂に足を入れると少し熱く感じるくらいのお湯。温泉はこれくらいがいい。翌朝は露天風呂にも入れるのでそれもまた楽しみである。

初日を振り返ってみると、何もかもが上手くいっている。ランチに観光、天気、宿、全てだ。旅行というものは感動もあるが、期待通りにいかないこともあるものだ。天気に恵まれなかったり、店選びに失敗したりすることはよくある。まあ、そういう負の出来事も思い出として消化できるのが旅行の良さなのだが。今回は何もかもパーフェクトで明日何か起きそうで怖いくらいだ。

部屋に戻ってテレビをつけると、ちょうどIPPONグランプリが放送されていた。私の大好きな芸人、ハリウッドザコシショウが出場していたが、正直言っていつものギャグの延長だった。勢いに全振りしているザコシショウは、ウィットが問われる大喜利とは相性が悪いと思う。それでも何度かIPPONを取っていたので流石である。
全部見たかったのだが途中からウトウトしてしまい、ふと気づいたら千鳥の大悟が松本人志から優勝トロフィーを渡されていた。大悟、おめでとう。そして私は気絶するように眠りについた。(後編へ続く)



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社会人6年目のシステムエンジニア。 レールのど真ん中を歩く人生。

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