大学時代、正確に言うと大学2~3年生の俺は酷いものだった。
酔っ払うと人が変わったように陽気になり、先輩後輩構わず電話をかけては中身のない会話をしていた。
他には、暴言を吐いたり、酒をこぼしたり、宴会場を駆け抜けてガラスに激突したこともあった。
当時、飲酒はいわばドーピングのようなものだった。スイッチが入るともう止まらず自制が効かなくなってしまう。
翌日には記憶に残っていないので、写真や伝聞でそのときのことを知ることになるのだが、自分で自分にドン引きしていた。
毎度二日酔いに苦しみながら「もうこんなことはしない」と誓っても、同じ過ちを繰り返してしまった。
なぜこんなにも酒癖が悪かったのか。自分の中でだいたい答えは出ている。
それは、皆に構ってもらいたいという潜在的な承認欲求が過度に顔を出した結果だと考えている。
本当は思い切りはっちゃけたいのだが、素面だと恥ずかしくてできない。そこで、酒の力を借りて「無敵状態」になっていたのである。めちゃくちゃダサいことをやってた。
今はというと、気分をリラックスさせる目的で飲酒することが多い。
仕事で疲れたときとか、考え事で頭がパンクしそうなときがそうだ。
ビール1缶程度のアルコールを摂取すれば、ある程度頭はカラッポになって楽になれる。
人と深い話をするのにも酒は幾分役に立っている。
酔いが回ると「この話は切り出すには重すぎるかも」といった迷いがなくなるので、普段はしないような話題で盛り上がることがある。これには人間関係の悩みや哲学的な話題が当てはまる。こういった経験をすると、酒はコミュニケーションツールとして優秀であると思わされる。
実は社会人になってからも大量飲酒を試みようとしたことは何回があったが、それらは全て失敗に終わっている。
一定のアルコールを摂取すると完全にぐったりしてしまい、体が本能的にそれ以上のアルコールを拒絶するようになってしまったのである。
以前であればそのような限界点は存在せず、目の前にある酒をハイペースで飲み続けてもさほど苦ではなかった。これが若さというものなのだろうか。
いずれにせよ、以前のような「爆発」は見られなくなり、素面でも酔った状態でもたいして面白くないヤツになってしまった。
味を楽しむのはもちろん、気分をリラックスさせる。これが本来の酒との接し方なのだが、そこにたどり着くのにあまりに時間がかかってしまった。
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